Weil先生のブログで多数の愁訴を持つ患者さんが来院したときの対応について、なるほどという話が紹介されています。http://www.drweil.com/drw/u/QAA400853/Too-Many-Health-Complaints.html
The New York Timesで紹介されたDr. Ofliの話です。多数の愁訴で来院した患者さんをストレスが原因だろうと診療していたら、実は肺塞栓で救急搬送されてしまったのです。実際、この患者さんのように多数の愁訴をメモにリストアップして受診される方がおられます。あれもこれも心配で診療時に言い忘れないように書いてくるわけです。それぞれの愁訴にはそれぞれ鑑別すべき疾患があるのですが、その愁訴の数が多いと莫大な疾患を鑑別しなければなりません。Dr. Ofliが考えたように、同時にそんなに数多くの疾患が併発するとは考え難いため、精神的なものが原因だろうと医師は考えやすいものです。
Dr. Ofliはこの経験から、多数の愁訴がある場合は診察の始めに宣言する事にしました。
「一回の診療につき3つの愁訴にしぼって鑑別診断を行う。」
2つは患者さんが選び1つは医師が選んだ愁訴に注目するわけです。患者さんは愁訴の中でもどれが一番重要な愁訴なのか選びますので医師は診断しやすくなります。医師の視点からみると実は重要な症状である場合があるので医師も一つ選択します。
私は診療の最後に「他に困ってる事はありませんか?」と聞く事にしていますが、堰を切ったように愁訴が飛び出してくる患者さんがいます。一通り診察が終わった後で、もう一回診察しなおすには多すぎる愁訴に戸惑う事がありましたが、こんな時はこの方法は良策かもしれません。